祇園祭吉符入に際し、八坂神社で山鉾巡行前祭で先頭を行く長刀鉾生稚児、禿、長刀鉾保存会役員が八坂神社に参拝し、お千度の儀が行われた。
白化粧、袴姿の稚児平井誠人君(9)は、補佐役の2人の禿(かむろ)石田佳希君(10)井上喜晴君(10)と共に本殿でお祓いを受けた後、朱の大番傘をかざされながら、本殿の周りを3回巡り、正面、裏正面から6回の拝礼を行い祭の神事の無事を祈願した。

長刀鉾稚児平井誠人君
お千度を終えほっとした表情を見せる稚児の平井誠人君

この日、神輿会、山鉾町でも吉符入神事が執り行われ、種々の神事祭事で京都の夏を彩る1カ月間に及ぶ祇園祭が幕を開けた。
今年は49年ぶりに17日の前祭(神幸祭)に合併されていた24日後祭(還幸祭)の山鉾巡行が復活し本来の姿に戻るほか、150年ぶりに大船鉾が復興し後祭のトリを飾る。
神幸祭に於いては、神社から町衆のもとへ3基の神輿で八坂の神々が御旅所へ下り、鎮座し、7日後の還幸祭で洛中を疫病を鎮め廻った後お還りになるとされている。
これら本祭の神輿渡御を露払いする山鉾巡行が前祭後祭に独立してあるのが、本来の神事の謂れ、習わしから自然であると言われていた。
その意味から、今年は歴史的にも節目となる祇園祭であり、その吉符入は「the祇園祭」の始まりだ。