明日の晴れの舞台の為に
数百年後も同じであるように技を伝承する
平成24年(2012)7月10日、梅雨、各地の異常気象の中、鉾建て、中御座神輿洗いという祇園祭の序盤の華となる日、朝から京都は快晴。
四条通り烏丸東の長刀鉾町では、祇園祭ファン衆目の長刀鉾の鉾建てが始まっていた。長刀鉾保存会会所内で弊切(へいきり)神事も行われている時間帯で、羽織袴、訪問着の役員方も出入りされ、華やかなお祭り気分が醸し出されている。
本日の主役である鉾建て職人とお呼びするのだろうか、地下足袋、作業着の20歳代から70歳代までの男達が「よう見ときや」と言う自信に溢れながら、黙々と作業している。その職人の数、外で9人、会所倉庫内に5人、総勢14名だ。
会所内では、真木(鉾の芯となる丸の大柱)を調整する2人の視線から、やはり神憑ったものを扱っているという空気が流れ、観客であれ、報道者であれ容易に近づきがたい。やや、広まった奥の方でも何やら忙しく作業されている。明日装備される鉾車を準備しているのであろうか。
新旧、老若、親方弟子
ほとんどの仕事が一対で進む
物々しい書き出しで恐縮だが、この記事の目的は実に簡単で「本番でOJTがなされ、1000年の歴史は保たれる」との感想をお伝えすること。「なにをいまさら」と諸先輩がたも言い、言われたことと思う。恐らく見るたびに、誰もが、毎年、思い返すかのように感じ入る事なのだと思う。この見物人の新ためて「へぇー」と感じることも歴史を保つ参加者、貢献者だとの自負を持って、警備員に蹴散らされても見物したい。
鉾の四本の柱に4組の老若職人ペアが綺麗に同時進行の縄締めの技を見せる
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函谷鉾でも同じく四ペア風景が | 鶏鉾も少人数ながら同じ |